大学入学共通テスト(数学) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問50 (数学Ⅰ・数学A(第4問) 問6)
問題文
(1)整数kが0≦k<5を満たすとする。77k=5✕15k+2kに注意すると、77kを5で割った余りが1となるのはk=( ア )のときである。
(2)三つの整数k、l、mが
0≦k<5、0≦l<7、0≦m<11
を満たすとする。このとき
(k/5)+(l/7)+(m/11)−(1/385) ・・・・・・①
が整数となるk、l、mを求めよう。
①の値が整数のとき、その値をnとすると
(k/5)+(l/7)+(m/11)=(1/385)+n ・・・・・・②
となる。②の両辺に385を掛けると
77k+55l+35m=1+385n ・・・・・・③
となる。これより
77k=5(−11l−7m+77n)+1
となることから、77kを5で割った余りは1なのでk=( ア )である。
同様にして
55l=7(−11k−5m+55n)+1
および
35m=11(−7k−5l+35n)+1
であることに注意すると、l=( イ )およびm=( ウ )が得られる。
なお、k=( ア )、l=( イ )、m=( ウ )を③に代入するとn=2であることがわかる。
(3)三つの整数x、y、zが
0≦x<5、0≦y<7、0≦z<11
を満たすとする。次の形の整数
77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
を5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5であるとする。このとき、x、y、zを求めよう。77✕( ア )✕xを5で割った余りが2であることからx=( エ )となる。同様にしてy=( オ )、z=( カ )となる。
x、y、zを上で求めた値として、整数pを
p=77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
で定める。このとき、5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5である整数Mは、ある整数rを用いてM=p+385rと表すことができる。
(4)整数pを(3)で定めたものとする。paを5で割った余りが1となる正の整数aのうち、最小のものはa=4である。また、pbを7で割った余りが1となる正の整数bのうち、最小のものはb=( キ )となる。さらに、pcを11で割った余りが1となる正の整数cのうち、最小のものはc=( ク )である。
p8を385で割った余りをqとするとき、qを求めよう。p8を5、7、11で割った余りを利用して(3)と同様に考えると、q=( ケコサ )であることがわかる。
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問題
大学入学共通テスト(数学)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問50(数学Ⅰ・数学A(第4問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
(1)整数kが0≦k<5を満たすとする。77k=5✕15k+2kに注意すると、77kを5で割った余りが1となるのはk=( ア )のときである。
(2)三つの整数k、l、mが
0≦k<5、0≦l<7、0≦m<11
を満たすとする。このとき
(k/5)+(l/7)+(m/11)−(1/385) ・・・・・・①
が整数となるk、l、mを求めよう。
①の値が整数のとき、その値をnとすると
(k/5)+(l/7)+(m/11)=(1/385)+n ・・・・・・②
となる。②の両辺に385を掛けると
77k+55l+35m=1+385n ・・・・・・③
となる。これより
77k=5(−11l−7m+77n)+1
となることから、77kを5で割った余りは1なのでk=( ア )である。
同様にして
55l=7(−11k−5m+55n)+1
および
35m=11(−7k−5l+35n)+1
であることに注意すると、l=( イ )およびm=( ウ )が得られる。
なお、k=( ア )、l=( イ )、m=( ウ )を③に代入するとn=2であることがわかる。
(3)三つの整数x、y、zが
0≦x<5、0≦y<7、0≦z<11
を満たすとする。次の形の整数
77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
を5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5であるとする。このとき、x、y、zを求めよう。77✕( ア )✕xを5で割った余りが2であることからx=( エ )となる。同様にしてy=( オ )、z=( カ )となる。
x、y、zを上で求めた値として、整数pを
p=77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
で定める。このとき、5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5である整数Mは、ある整数rを用いてM=p+385rと表すことができる。
(4)整数pを(3)で定めたものとする。paを5で割った余りが1となる正の整数aのうち、最小のものはa=4である。また、pbを7で割った余りが1となる正の整数bのうち、最小のものはb=( キ )となる。さらに、pcを11で割った余りが1となる正の整数cのうち、最小のものはc=( ク )である。
p8を385で割った余りをqとするとき、qを求めよう。p8を5、7、11で割った余りを利用して(3)と同様に考えると、q=( ケコサ )であることがわかる。
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この過去問の解説 (2件)
01
まず、p=77×3×x+55×6×y+35×6×z です。
最初に、paを5で割った余りが1となる最小の整数aは、a=4 であることを示します。
pは5で割って余りが2なので、
p=5N+2 (Nは整数)と表すことができます。このとき、
p2=(5N+2)(5N+2)
=25N2+10N+10N+22
25N2+10N+10N は5の倍数なので、p2 を5で割った余りは 22 に等しくなります。
また、このことより p2 =5M+22 (Mは整数)と表すことができ、
p3=(5M+22)(5N+2)
=25MN+10M+20M+23
MとNの文字を含む項はすべて5の倍数なので、 p3 を5で割った余りは 23 を5で割った余りに等しくなります。
p4 、 p5 ・・ も同様に考えることによって、以下のことがいえます。
pは5で割ると余りが2となる整数、aを正の整数とするとき、 pa を5で割った余りは 2a を5で割った余りに等しい。
よって、 2a (a=1、2、3、4・・)を5で割った余りを順に考えていくと、以下の(表1)のようになります。
(表1)より、2aを5で割った余りが1となる最小の整数aは a=4 なので、paを5で割った余りが1となる最小の整数aも a=4 です。また同時に、paを5で割った余りは、2、4、3、1 を順に繰り返すことも分かると思います。
設問(キ)についても、同様に考えます。pは7で割った余りが4なので、pb を7で割った余りは4b (bは正の整数)を7で割った余りと同じです。4b をb=1、2、3・・ と順に考えていくとb=3のとき 43=64 で、7で割ると余りが1になります。したがって、条件が成り立つ最小のbは b=3 です。よって、解答欄(キ)には「3」の選択肢の番号が入ります。
最初に、a=4 となることを説明しました。その解き方がわかれば、b の値を求めることも、さほど難しいことではありません。
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02
modを使って考える問題です。
前問より、pを7で割った余りは4なので
p≡4(mod7)・・・(1)です。
問題はpb≡1(mod7)・・・(2)となる最小のbを求めることです。
(1)、(2)より次のような式が立てられます。
pb≡4b≡1(mod7)
bに正の整数を代入していくと、下の表のようになります。
64を7で割った余りは1なので、求める最小のbはb=3であることが分かります。(キ:3)
不正解です。
不正解です。
正解です。
不正解です。
modを使って考えると、比較的簡単に解ける問題です。
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