大学入学共通テスト(数学) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問52 (数学Ⅰ・数学A(第4問) 問8)
問題文
(1)整数kが0≦k<5を満たすとする。77k=5✕15k+2kに注意すると、77kを5で割った余りが1となるのはk=( ア )のときである。
(2)三つの整数k、l、mが
0≦k<5、0≦l<7、0≦m<11
を満たすとする。このとき
(k/5)+(l/7)+(m/11)−(1/385) ・・・・・・①
が整数となるk、l、mを求めよう。
①の値が整数のとき、その値をnとすると
(k/5)+(l/7)+(m/11)=(1/385)+n ・・・・・・②
となる。②の両辺に385を掛けると
77k+55l+35m=1+385n ・・・・・・③
となる。これより
77k=5(−11l−7m+77n)+1
となることから、77kを5で割った余りは1なのでk=( ア )である。
同様にして
55l=7(−11k−5m+55n)+1
および
35m=11(−7k−5l+35n)+1
であることに注意すると、l=( イ )およびm=( ウ )が得られる。
なお、k=( ア )、l=( イ )、m=( ウ )を③に代入するとn=2であることがわかる。
(3)三つの整数x、y、zが
0≦x<5、0≦y<7、0≦z<11
を満たすとする。次の形の整数
77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
を5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5であるとする。このとき、x、y、zを求めよう。77✕( ア )✕xを5で割った余りが2であることからx=( エ )となる。同様にしてy=( オ )、z=( カ )となる。
x、y、zを上で求めた値として、整数pを
p=77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
で定める。このとき、5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5である整数Mは、ある整数rを用いてM=p+385rと表すことができる。
(4)整数pを(3)で定めたものとする。paを5で割った余りが1となる正の整数aのうち、最小のものはa=4である。また、pbを7で割った余りが1となる正の整数bのうち、最小のものはb=( キ )となる。さらに、pcを11で割った余りが1となる正の整数cのうち、最小のものはc=( ク )である。
p8を385で割った余りをqとするとき、qを求めよう。p8を5、7、11で割った余りを利用して(3)と同様に考えると、q=( ケコサ )であることがわかる。
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問題
大学入学共通テスト(数学)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問52(数学Ⅰ・数学A(第4問) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
(1)整数kが0≦k<5を満たすとする。77k=5✕15k+2kに注意すると、77kを5で割った余りが1となるのはk=( ア )のときである。
(2)三つの整数k、l、mが
0≦k<5、0≦l<7、0≦m<11
を満たすとする。このとき
(k/5)+(l/7)+(m/11)−(1/385) ・・・・・・①
が整数となるk、l、mを求めよう。
①の値が整数のとき、その値をnとすると
(k/5)+(l/7)+(m/11)=(1/385)+n ・・・・・・②
となる。②の両辺に385を掛けると
77k+55l+35m=1+385n ・・・・・・③
となる。これより
77k=5(−11l−7m+77n)+1
となることから、77kを5で割った余りは1なのでk=( ア )である。
同様にして
55l=7(−11k−5m+55n)+1
および
35m=11(−7k−5l+35n)+1
であることに注意すると、l=( イ )およびm=( ウ )が得られる。
なお、k=( ア )、l=( イ )、m=( ウ )を③に代入するとn=2であることがわかる。
(3)三つの整数x、y、zが
0≦x<5、0≦y<7、0≦z<11
を満たすとする。次の形の整数
77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
を5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5であるとする。このとき、x、y、zを求めよう。77✕( ア )✕xを5で割った余りが2であることからx=( エ )となる。同様にしてy=( オ )、z=( カ )となる。
x、y、zを上で求めた値として、整数pを
p=77✕( ア )✕x+55✕( イ )✕y+35✕( ウ )✕z
で定める。このとき、5、7、11で割った余りがそれぞれ2、4、5である整数Mは、ある整数rを用いてM=p+385rと表すことができる。
(4)整数pを(3)で定めたものとする。paを5で割った余りが1となる正の整数aのうち、最小のものはa=4である。また、pbを7で割った余りが1となる正の整数bのうち、最小のものはb=( キ )となる。さらに、pcを11で割った余りが1となる正の整数cのうち、最小のものはc=( ク )である。
p8を385で割った余りをqとするとき、qを求めよう。p8を5、7、11で割った余りを利用して(3)と同様に考えると、q=( ケコサ )であることがわかる。
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この過去問の解説 (2件)
01
これまでに述べた、整数を割ったときの余りについての性質を使っていきます。
まず、p8を5で割った余りを求めます。
問題文で述べられている通り、p4を5で割った余りは1です。よって、p4=5A+1(Aは整数) と表すことができ、
p8=p4・p4
=(5A+1)(5A+1)
この式を展開すると、Aを含む項はすべて5の倍数であり、p8を5で割った余りは定数項12を5で割った余りと同じで1になります。
次に、p8を7で割った余りを求めます。
pは7で割った余りが4、また、前問(キ)よりp3を7で割った余りは1です。さらに、p2を7で割った余りは42を7で割った余りと同じで2になります。よって、p3=7B+1、p2=7C+2(B、Cは整数)と表すことができ、
p8=p3・p3・p2
=(7B+1)(7B+1)(7C+2)
この式を展開すると、BとCを含む項はすべて7の倍数となり、p8を7で割った余りは定数項1、1、2の積を7で割った余りと同じで2となります。
次に、p8を11で割った余りを求めます。
pは11で割った余りが5、また、前問(ク)よりp5を11で割った余りは1です。さらに、p3を11で割った余りは53を11で割った余りと同じで4になります。よって、p5=11D+1、p3=11E+4(D、Eは整数)と表すことができ、
p8=p5・p3
=(11D+1)(11E+4)
この式を展開すると、DとEを含む項はすべて11の倍数となり、p8を11で割った余りは定数項1、4の積を11で割った余りと同じで4となります。
以上より、p8を5、7、11で割った余りはそれぞれ1、2、4となります。
次に、p=77×3×x+55×6×y+35×6×z ・・ (※)
について、前問(3)より、pを5,7,11で割った余りはx、y、zだったので、上の(※)の式で、x=1、y=2、z=4 を代入した式
p=77×3×1+55×6×2+35×6×4
を考えると、この式pは、「p8を5、7、11で割った余りはそれぞれ1、2、4となる」という条件を満たすことになります。
このときpを計算して求めると
p=231+660+840
=1731
このとき、(3)で述べた通り、5、7、11で割った余りがそれぞれ1、2、4となる整数Mは、
M=1731+385r(rは整数)と表されます。
このMを385で割った余りは、1731を385で割った余りと同じであり、
1731=385×4+191
より、余りは191です。したがって、p8を385で割った余りqは,q=191 となります。
これより、解答欄(ケ)は「1」、(コ)は「9」、(サ)は「1」となる選択肢の番号が入ります。
問題文の中に、「p8を5、7、11で割った余りを利用して(3)と同様に考えて・・」と書いてあるので、この設問の意図に沿って考えていかなければなりません。
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02
前問より、p4≡1(mod5)、p3≡1(mod7)、p5≡1(mod11)を利用します。
p8≡(p4)2≡1(mod5)・・・(1)
p8≡p3×p2≡2(mod7)・・・(2) (前問より、p2=16、16≡2(mod7))
p8≡p5×p3≡4(mod11)・・・(3) (前問より、p3=4(mod11))
と表せます。
(3)と同様に考えて
p=77✕3✕x+55✕6✕y+35✕6✕z
のx=1、y=2、z=4を代入すると
77✕3✕1+55✕6✕2+35✕6✕4=1731
となるため、p8はある整数rを使って
p8=1731+385r
と表されます。
p8を385で割った余りについて考えます。
385rの部分は、385で割ると余りは0なので
p8を385で割った余りは1731を385で割った余りに対応します。
1731÷385=4余り191なので
p8を385で割った余りは191となります。
(ケコサ:191)
不正解です。
不正解です。
正解です。
不正解です。
(3)までの誘導や考え方を応用できるかが問われています。
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