大学入学共通テスト(数学) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問40 (数学Ⅰ・数学A(第4問) 問8)

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問題

大学入学共通テスト(数学)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問40(数学Ⅰ・数学A(第4問) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

色のついた長方形を並べて正方形や長方形を作ることを考える。色のついた長方形は、向きを変えずにすき間なく並べることとし、色のついた長方形は十分(じゅうぶん)あるものとする。

(1)横の長さが462で縦の長さが110である赤い長方形を、図1のように並べて正方形や長方形を作ることを考える。
462と110の両方を割り切る素数のうち最大のものは( アイ )である。
赤い長方形を並べて作ることができる正方形のうち、辺の長さが最小であるものは、一辺の長さが( ウエオカ )のものである。
また、赤い長方形を並べて正方形ではない長方形を作るとき、横の長さと縦の長さの差の絶対値が最小になるのは、462の約数と110の約数を考えると、差の絶対値が( キク )になるときであることがわかる。
縦の長さが横の長さより( キク )長い長方形のうち、横の長さが最小であるものは、横の長さが( ケコサシ )のものである。

(2)花子さんと太郎さんは、(1)で用いた赤い長方形を1枚以上並べて長方形を作り、その右側に横の長さが363で縦の長さが154である青い長方形を1枚以上並べて、図2のような正方形や長方形を作ることを考えている。
このとき、赤い長方形を並べてできる長方形の縦の長さと、青い長方形を並べてできる長方形の縦の長さは等しい。よって、図2のような長方形のうち、縦の長さが最小のものは、縦の長さが( スセソ )のものであり、図2のような長方形は縦の長さが( スセソ )の倍数である。

二人は、次のように話している。
花子:赤い長方形と青い長方形を図のように並べて正方形を作ってみようよ。
太郎:赤い長方形の横の長さが462で青い長方形の横の長さが363だから、図のような正方形の横の長さは462と363を組み合わせて作ることができる長さでないといけないね。
花子:正方形だから、横の長さは( スセソ )の倍数でもないといけないね。

462と363の最大公約数は( タチ )であり、( タチ )の倍数のうちで( スセソ )の倍数でもある最小の正の整数は( ツテトナ )である。
これらのことと、使う長方形の枚数が赤い長方形も青い長方形も1枚以上であることから、図2のような正方形のうち、辺の長さが最小であるものは、一辺の長さが( ニヌネノ )のものであることがわかる。

( ニヌネノ )にあてはまるものを次のうちから1つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

問37で( スセソ )は770,問38で( タチ )は33であることをそれぞれ求めましたから,

図2のような正方形の縦の長さは770の倍数です。

また,横の長さは33の倍数であることが必要です。

(33の倍数であることは横の長さの必要条件であり,十分条件ではないことに注意が必要です。)

正方形の縦横の長さは等しいので,1辺の長さは770と33の公倍数であることが必要です。

また,前の問題(問39)で,( ツテトナ )が2310であることを求めました。

 

770=2×5×7×11

33=3×11

ですから,求める最小公倍数は

2×3×5×7×11=2310


よって,正方形の1辺の長さは2310の倍数であることが必要となります。

 

2310の倍数は,整数mを用いて2310mと表すことができます。

特にこの問題では2310mは正方形の1辺の長さですから,mは自然数であることが必要です。

赤い長方形を横にx個,青い長方形を横にy個並べるとすると,

正方形の横の長さについて

462x+363y=2310m ……①

が成り立ちます。この①を満たす自然数の組(x,y)が存在するような最小の自然数mを求めます。

①の両辺を33で割って

14x+11y=70m ……②

x=5m,y=0を代入すると等式②が成り立ちます。すなわち

14×5m+11×0=70m ……③

②,③を辺々引いて

14(x-5m)+11y=0

14(x-5m)=-11y

左辺は14の倍数,右辺は11の倍数で,両辺は等しいので,両辺は14と11の公倍数です。

14と11が互いに素であることから,14と11の公倍数は,整数nを用いて

14×11n

と表すことができます。よって

14(x-5m)=-11y=14×11n

14(x-5m)=14×11n ,-11y=14×11n

x-5m=11n, y=-14n

すなわち

x=11n+5m , y=-14n ……④

①の式を④のように変形してきました。

①のところで書いたように,これを満たす自然数の組(x,y)が存在するような最小の自然数mを求めます。

 y=-14n より,yが自然数となるための条件は,nが負であることです。

x=11n+5m より x=5m-(-11n) となりますので,

xが自然数となるための条件は,5m>-11n であることです。

mを最小にするためには,-11n を最小にする必要があります。

nは負の整数なので,n=-1のとき -11n は最小値11をとります。

このとき 5m>11 となり,これを満たす最小の自然数mは m=3 です。

したがって,求める一辺の長さは

2310×3=6930

選択肢2. 6930

正解です。

まとめ

一次不定方程式の応用問題です。解説の②の式のように右辺に文字を含む場合も,1組の解がわかれば基本的な解き方がそのまま使えます。

参考になった数0

02

前問より、横の長さが2310の倍数であれば敷き詰められることがわかりました。これを利用して、一次不定方程式を解いていきます。

まとめ

横方向に赤い長方形をc枚、青い長方形をd枚並べたとします。前問より、

462c+363d=2310k (c,d,kは自然数)

素因数分解の形から、両辺を簡単にします。

(2×3×7×11)c+(3×112)d=(2×3×5×7×11)k

(2×7)c+11d=(2×5×7)k

11d=(2×7)(5k-c)

以上より、5k-cが11の倍数であることがわかります。

よって、5k-c=11としてみると、k=3、c=4が最小の自然数k、cとして見つかります。よってkの最小値が3とわかるので、

2310×3=6930が求める一辺の長さとなります。

参考になった数0