大学入学共通テスト(数学) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問22 (数学Ⅰ・数学A(第2問) 問9)

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問題

大学入学共通テスト(数学)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問22(数学Ⅰ・数学A(第2問) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

( サ )にあてはまるものを次のうちから1つ選べ。

〔2〕太郎さんと花子さんは、バスケットボールのプロ選手の中には、リングと同じ高さでシュートを打てる人がいることを知り、シュートを打つ高さによってボールの軌道がどう変わるかについて考えている。
二人は、図1のように座標軸が定められた平面上に、プロ選手と花子さんがシュートを打つ様子を真横から見た図をかき、ボールがリングに入った場合について、後の仮定を設定して考えることにした。長さの単位はメートルであるが、以下では省略する。

<仮定>
・平面上では、ボールを直径0.2の円とする。
・リングを真横から見たときの左端を点A(3.8,3)、右端を点B(4.2,3)とし、リングの太さは無視する。
・ボールがリングや他のものに当たらずに上からリングを通り、かつ、ボールの中心がABの中点M(4,3)を通る場合を考える。ただし、ボールがリングに当たるとは、ボールの中心とAまたはBとの距離が0.1以下になることとする。
・プロ選手がシュートを打つ場合のボールの中心を点Pとし、Pは、はじめに点P0(0,3)にあるものとする。また、P0,Mを通る、上に凸の放物線をC1とし、PはC1上を動くものとする。
・花子さんがシュートを打つ場合のボールの中心を点Hとし、Hは、はじめに点H0(0,2)にあるものとする。また、H0,Mを通る、上に凸の放物線をC2とし、HはC2上を動くものとする。
・放物線C1やC2に対して、頂点のy座標を「シュートの高さ」とし、頂点のx座標を「ボールが最も高くなるときの地上の位置」とする。

(1)放物線C1の方程式におけるx2の係数をaとする。放物線C1の方程式は

y=ax2−( キ )ax+( ク )

と表すことができる。また、プロ選手の「シュートの高さ」は

—( ケ )a+( コ )

である。

プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の比較の記述として、正しいものは( サ )である。
問題文の画像
  • プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」は、つねに一致する。
  • プロ選手の「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方が、つねにMのx座標に近い。
  • 花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方が、つねにMのx座標に近い。
  • プロ選手の「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方がMのx座標に近いときもあれば、花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方がMのx座標に近いときもある。

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この過去問の解説 (2件)

01

問題にある「仮定」の最後の項目から,

プロ選手と花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」は,

それぞれ放物線C1,C2の頂点のx座標です。

前の問題(問21)で,放物線C1の頂点の座標を求めています。

 

前の問題(問20)で,放物線C1の方程式を

aを用いて表しています。

 

<blockquote>

放物線C1の方程式を

y=ax2+bx+c……①

とおきます。C1は2点P0(0,3),M(4,3) を通るので,

それぞれ座標を①に代入すると

3=c かつ 3=16a+4b+c

よって 16a+4b+3=3

すなわち,b=-4a

したがって,放物線C1の方程式は

y=ax2-4ax+3

 

問題文の「仮定」の最後の項目から,

プロ選手の「シュートの高さ」=放物線C1の頂点のy座標

であることがわかります。

放物線C1の方程式をさらに変形して,

y=a(x2-4x)+3

y=a{(x-2)2-4}+3

y=a(x-2)2-4a+3

よって,放物線C1の頂点の座標は(2,-4a+3)

</blockquote>


放物線C1の頂点のx座標は2,すなわち,

プロ選手の「ボールが最も高くなるときの地上の位置」は2で,

Mのx座標は4ですから,その差は2です。

一方,与えられたC2の方程式より,

以上のことから,

花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方が、つねにMのx座標に近い。

が正解となります。

選択肢3. 花子さんの「ボールが最も高くなるときの地上の位置」の方が、つねにMのx座標に近い。

正解です。

まとめ

放物線C2の方程式は問題で与えられているので,

そのまま使いましょう。

式全体を見るとかなりややこしい式に見えますが,

実際にややこしいのは頂点のy座標を表す部分だけで,

頂点のy座標はこの問題では使いません。

重要なのは頂点のx座標と,上に凸であるということです。

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02

ボールが最も高くなる位置、つまり軸の位置を比較すれば良いです。

aもpも負の値であることに注意します。

まとめ

C1, C2の軸はそれぞれ2と2-1/8pです。

軸が大きい値ほど、Mに座標が近いことになります。今、pは上に凸の放物線であることから負の値であることがわかります。

よって 2<2-1/8p であるので、花子さんの方がボールが最も高くなる地上位置がMに近いです。

参考になった数0